2017.06.17 あなたの目に酸素は足りていますか?
皆さんは目が呼吸をしていることをご存知でしたか?
事実1
私たちの目の角膜(黒目)は目の表面を覆う涙を介して空気中の酸素を取り入れて呼吸をしています。
酸素が角膜に十分に行きわたることで角膜の細胞がバランスよく働くことができるのです。
事実2
ソフトコンタクトレンズをつけていると、レンズが角膜の表面を覆うため、ちょうど角膜に蓋をした状態になります。
そのため低酸素透過性のソフトコンタクトレンズを長時間使用するなどして角膜の酸素不足の状態が続くと様々な眼障害のリスクが高まってきます。
酸素不足による目のトラブル例
角膜血管新生
角膜は酸素を空気中から直接取り入れているため、もともと血管はありません。
しかし、慢性的な酸素不足により白目の血管が角膜に侵入してくることがあります。
これを「角膜血管新生」といいます。
角膜血管新生は自覚症状がほとんどないため気づかないうちに進行することも多く、
進行した場合コンタクトレンズ装用を注視する必要があります。
角膜輪部の充血
酸素透過性が低いソフトコンタクトレンズを長時間装用することにより
角膜輪部(黒目の周辺)が充血することがあります。
角膜内皮細胞の減少
角膜の最も内側にある角膜内皮は一層の細胞でできた組織で角膜内の水分量を調節して角膜の透明性を保つ大切な役割があります。
正常な角膜内皮には1mm平方メートルあたり約3,000個の細胞がありますが酸素不足の状態が長時間続くと細胞の数が減少していくことがわかっています。
また、一度失われた角膜内皮細胞は二度と再生しません。
角膜内皮細胞の数が減少すると、角膜内の水分の調節ができず透明な角膜が白く濁ってしまい重篤な視力障害を起こすことがあります。
ソフトコンタクトレンズ装用における角膜の酸素不足による眼障害のリスクを軽減するため現在ではシリコーンハイドロゲルという酸素透過性の高い素材を採用したソフトコンタクトレンズが主流になっています。
当店には酸素透過性に優れたコンタクトレンズを各種取り揃えておりますのでお気軽にお声掛けください。
医学博士:糸井素純先生(道玄坂糸井眼科医院)監修、クーパービジョン啓蒙冊子より引用